シンガポール永住権(Singapore PR)の棄権手続き

シンガポールの永住権、通称PR(Permanent Residence)。

私がこのPRを取得してから早いもので十数年の月日が流れていました。PRを取得した経緯やその申請方法などについては別の記事でご紹介したいと思いますが、今回はそれよりも先に、つい先日にこのPRの【棄権手続き】をしにシンガポールに行って来たばかりなので、記憶が新しいうちにその最新のエピソードの方をご紹介したいと思います。

シンガポールPRのしくみ

シンガポールの永住権であるPR(Permanent Residence)は、「永住権」と言っても実は期限付きで更新が必要なビザで、一度PRが承認されたからと言ってめでたくシンガポールに一生居座れる、という訳ではありません。

シンガポールでPRを取得すると、必ずセットでつきまとうものが、

REP(Re-Entry Permit) :再入国許可証

 

です。このREPは基本的に5年ごとに更新が必要で、そのたびに「シンガポールで働いている証明」、もしくは「シンガポール人と結婚している証明」、もしくはその両方を提出して、承認されればまた次は5年後、といった具合に定期的な審査が必要となります。中にはREPの更新が認められないケースもあり、そうなると自動的にPRも失効してしまいます。

私のシンガポールPRが失効したワケ

めでたくPRが交付されたその日から、私にも5年毎のREP更新の宿命がのしかかってきました。

しかし当時の私は30代前半、仕事も恋愛もいろいろと揺れ動く年頃。本当にいろいろな紆余曲折があり、悩みに悩んだ結果日本で結婚・出産をすることを決めて帰国しました。

結局私の場合は、シンガポール人との結婚も破断になり、シンガポールでの仕事も辞めて帰国したので、REPの更新条件を満たすことができなくなり、自動的にPRも失効してしまったのです。

シンガポールPRの棄権手続きにいたる経緯

帰国してからの日本での生活は、シンガポールでのそれとはまったく違っていました。結婚してすぐに妊娠・出産、子育て。やっと子どもが小学校に入ったと思ったら私の実母が病気になり、母の介護。

シンガポールでバリバリ働いていた生活から一転、子育て中心の「お母さん」になった私。幸せではありましたがその間一度もシンガポールはおろかどこの国にも出ることができずにいました。

PRが失効しても、シンガポールで積立てられていた年金CPFはそのまま置いておけるし、なおかつその間もちゃんと利子がつくシステムなので、ぶっちゃけそのままでいいかな、と思っていた時期もありました。

そんな中で、私の母が亡くなりました。母の死と、彼女が残された時間できっちり終わらせていた資産の整理(そんなになかったけど)。それを目の当たりにした時に、私もシンガポールのPRとCPF、それに銀行口座も、私に何かあった時に家族が困らないようにしておかねば、と心からそう思ったのです。

シンガポールPRの棄権手続きに必要な書類と提出先

さて、実際に永住権を棄権するにあたり、必要な書類などを調べて見ましたが、そもそも【永住権を棄権する】という行為自体めずらしいことのようで、なかなかはっきりと答えが出てきません。シンガポールの入国管理局のホームページでは、

ICA(入国管理局)にメールで問い合わせてください

 

としか書いてないのです。早速メールしてみると、翌日すぐに返信が来ました。その返信には、

『ブルーICを、お近くのシンガポール大使館かシンガポールの入国管理局に書留で送付してください、そしたらConfirmation Letter を送ります。シンガポール国内にいる場合は入国管理局3階でブルーICの返却の受付をしてください』

と書いてありました。なーんだ、ブルーICを返却するだけでほかに面倒な書類とかいらないのかー。ではブルーICだけは忘れないように、しまってあるところから出しておこう。と思ってガサゴソしてみたが、

ない。

あわや大ごとになるところだったブルーIC

シンガポールのPRがおりると交付されるのが青色の身分証明書【通称ブルーIC】です。シンガポールでは国民全員に番号が与えられており、それぞれの番号が記載されたIC(Identity Cardの略)を持っています。シンガポール国民はそのカードがピンク色で、PRを持つ外国人はブルーなので、その色から【ブルーIC】と呼ばれています。

シンガポールのPRを棄権するに当たってとにかく必要になることが、ブルーICの返却でした。事前に入国管理局にメールで問い合わせをしていたのでブルーICが必要だということはわかっていましたが、出発の2週間くらい前になって、そのブルーICの行方が分からなくなっていることに気づいたのです。

シンガポールから帰国してから2回も引っ越しをしていたので、「ここにあるだろう」と思っていたところになかった時には一気に青ざめました。

ブルーICがなければPR棄権手続きができないかもしれない。ならばブルーICを再発行?とも思いましたが、そもそもPR自体が失効しているのでそれもできない。

 

というジレンマの中で、とにかくひたすら家の中や実家までもブルーICを探し回る日々。

探し始めて10日ほどして、シンガポールに出発する数日前にやっとブルーICを見つけ出すことができた時には、本当に心から安心しました。皆さんも保管場所には気をつけましょう。

PRの棄権手続きの流れ

日によって待ち時間は様々。私が行った時は20分待ちくらいでした。早い方かと。

PRの棄権手続きはシンガポール入国管理局(ICA)で行いました。主な流れは以下のとおりです。

    1. ブルーICカードの返却手続き
    2. PR棄権手続きを依頼する手紙を書く
    3. PRの棄権手続き

このようにいたってシンプルです。十数年前にPRを申請しに来たのも同じくこの入国管理局でしたが、その時費やした時間や労力とはまったく比べものにならないほどあっさりしすぎていて、ちょっと拍子抜けしてしまうほどでした。

2番目の「PR棄権手続きを依頼する手紙を書く」というのはまったく想定外で、事前に問い合わせをした時にもそれは用意するよう言われていなかったのですが、ブルーICカードを返却した後同じ局内の違うフロアに行くよう指示があり、そこに行ってみると受付のおじさんがおもむろに白い紙(コピー用紙)とペンを出して来て、

「はい、これに手紙書いて〜 今から言うよ〜」

と手紙に書く文言を口頭で言い始めました。私は慌てておじさんが言う言葉を白い紙に殴り書きしていきました。その内容は、

 

Dear Sir/Madam,

I, Noriko 〇〇, have returned my blue IC No.*********.

Please issue a confirmation letter for PR renunciation for my CPF purposes.

 

これに日付と署名を入れただけのとても簡単なものでした。

この即興なぐり書きの手紙と、1番目のブルーICカードを返却したことを証明する手紙を持って、永住権のすべてを棄権する手続きをしました。

PRの棄権手続きの後にすべきこと

PRの棄権手続きは、書類さえ揃っていれば半日もかからずにあっけなく終了します。

その後は、入国管理局で発行された手紙を持って、PRを取得していた期間に積立てたシンガポールの年金CPFの引き出し手続きをしに所定の機関に行く必要があります(CPFをすべて引き出す場合のみ)。

CPFの引き出し手続きに関してはこちらの記事でご紹介していますので参考にしてみてください。

まとめ

すべての手続きが終わったあと、なんとなく私の中で、私とシンガポールを繋いでいてくれたものが無くなってしまったような気がして、ものすごく寂しくなりました。

『この国に住めるなら死んでもいい』とまで思った転職活動中。ラッキーなことに未経験で英語も怪しかったのに採用が決まったのは、きっと何かの縁だったのだと思います。

そこから良くも悪くもどっぷりとシンガポールに漬かった7年間。大変なことの方が多かったけど、本当に本当に、シンガポールと、シンガポールでのすべての出会いと、シンガポールで得られたすべての経験に、感謝の気持ちしかないです。

これからはVisitorとしてたくさん遊びに行けたらいいなと思います。

▽こちらの記事もあわせてどうぞ▽

シンガポールの年金CPFを引き出す①【シンガポール永住権の棄権手続き】 シンガポールの年金CPFを引き出す②【CPFサービスセンターでの手続き】


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