シンガポールの英語【シングリッシュ】の活用方法【旅行者必見】

多民族国家のシンガポールでは、使われている言語も様々。

国民の8割が中国系なので、シンガポール を歩いていると一番よく耳にするのがマンダリンと呼ばれる中国語です。そしてマレー系はマレー語を話し、インド系はタミル語を話し、それぞれの文化を大切にしているのがシンガポール 。

共用語は英語ですが、シンガポールの国語は、実はマレー語。国歌『Majulah Singapura』もマレー語ですし、シンガポールの首相が公式なスピーチをするときもマレー語で行います。

 

とはいえ、学校での授業も会社での仕事も共用語である英語が使われていて、そしてその英語というのが、シンガポールに住む多種多様な民族の言葉が入り混じった独特のアクセントと単語の、いわゆる【シングリッシュ】なのです。

シングリッシュとは?

シングリッシュとは一体なんなのか。

それは、共用語である英語の会話の中に、中国語やマレー語の単語がそのまま使われていたり、それらのアクセントが英語に反映されて独特の「訛り」となって、それがユニークな言語としてシンガポールの人々に長年親しまれ使われてきたもの。

シングリッシュの特徴は主に以下の通りです。

    • 第一印象は中国語に聞こえる
    • 文法は気にしない
    • 発音も気にしない

間違った文法で話すことを極端にきらう日本人からすると、勇気ある行動にすら思えるこの堂々たるシングリッシュの間違った文法。

とりあえず現在・過去・未来は存在しませんし、三人称単数なんて概念そのものが必要なのかどうか?から考え直させてくれるくらい、気になりません。

 

このシングリッシュの文法の自由さに、「正しい英語でなければ」と思い込んでいた私の心がどれだけ救われたことでしょう。

シングリッシュ禁止活動

ところがなんとシンガポールでは、国際社会でしっかり通用する正しい英語を話すことを推奨する【The Speak Good English Movement】なるものを運営する団体がいます。

有識者たちがイベントを行ったり正しい文法の本をオススメしたりして、「シングリッシュをやめてきれいな英語を話そう」という動きを進めているのです。

確かにイギリスやアメリカの英語とは全然ちがうこのシングリッシュ。中にはそれを【訛り】として恥じるような風潮も見られるのは確かです。

シングリッシュの由来

ではシングリッシュとはどこからどうなって生まれたのかというと、それはシンガポールに移住してきた人たちが、もともと故郷で話していたネイティブ言語、中国語やマレー語の影響を大きく受けています。

例えば有名なところでいうと、

語尾に【ラー】や【マー】をつける
 
これは中国語の影響で、実際に中国語で語尾に使われているものを英語にもくっつけちゃった、というもの。ラーは過去や完了を表す「了」から、マーは疑問文につける「吗」から来ています。
 
生活に密着したワード:「マカン」「ミヌン」「マンディ」
 
これはそれぞれ「食べる」「飲む」「シャワーを浴びる」というマレー語です。マレー語ですが中国系もインド系も、シンガポール人なら普通に使います。
 
シングリッシュの面白いところは、それぞれの民族が持ち込んだ言語を、他の民族もその枠を超えて仲良く一緒に使っているということ。
 
つまり、中国語の単語をインド系の人が使っていたり、マレー語の単語を中国系が使っていたりと、まさにRojak(ロジャ:ごちゃ混ぜと言う意味のマレー語)なのです。
 
では具体的に、どんなシングリッシュが使われているかご紹介して行きましょう。旅行に行った時にも役立つのでぜひ参考にしてくださいね。

タクシーで役立つシングリッシュ

シンガポールに到着してまずびっくりするのは、

運転手さんに中国語で話しかけられていると思ってちょっと慌てたが、よくよく聞いたら実は英語だったと言うケース。

そんなときに慌てないよう、運転手さんに聞かれることをまとめておきます。

    • Go where? (どちらまで?)
    • Go by which way?(どの経路で行きますか?)
    • Got small change or not?(小銭持ってないですか?)
    • want receipt or not?(レシートいりますか?)

 

ざっとこんなところでしょうか。特徴的なのは、何を聞かれてもほとんど主語がないことと、発音が究極に中国語っぽいところ、複数形でも「s」をつけるなんて律儀なことはしないこと。

またシンガポールでは街中の至るところが有料道路になっているため、乗せて行ってもらう場所によっては数ドル〜十数ドルの通行料が課せされてしまうこともあります。

お客さんとのトラブル防止のためにもGo by which way?と聞いてくれるのですが、よほど慣れていないと道順の指定なんて無理だと思うので、そのときは「Any way will do」(どの道でも大丈夫です)と伝えるのが無難だと思います。

ホーカーセンターで役立つシングリッシュ

ホーカーセンターやフードコートで料理を注文する時にもこのシングリッシュの知識があると大変便利です。基本的にシングリッシュは、通常の英語の文章を、大幅にはしょって最短にしているケースが多いので、非常に覚えやすいです。

GOT

発音は「ゴ」のみです。これで「あるよ」と言う意味。これを最初に聞いた時はさすがに何を言っているのかわからずびっくりしましたが、

お店の人に「Have you got some curry puffs?(カレーパフはありますか?)」と聞くと、「yes, I have got them(はい、ありますよ)」という答えの代わりにすべてを省略して「got」一語で返してくれます。

あるある!と強調したい時は繰り返すのが基本なので、「ゴ!ゴ!」です。

EAT HERE / MAKAN

読んで字のごとく、「ここで食べます」という意味のシングリッシュです。

Makanは上記でもご紹介したとおり、マレー語で食べるという意味ですが、お店で最初に「マカ〜ン」と言っておけばここで食べることが伝わります。

ちなみにEAT HEREは、発音する時には「イ・ヒア」です。

シングリッシュでは「t」「d」「p」「b」など音をあまり発しない語尾は思い切り省略するので、「イート」は自然と「イ」だけになります。

DA PAO / PACKET

読み方は【ダーパオ/パケッ】です。どちらも同じ「お持ち帰り」という意味です。

ダーパオは中国語で持ち帰りという意味の「打包」、そのままです。このダーパオは外食文化がとても盛んなシンガポールでは本当によく使われる言葉です。

シンガポールではほとんど家でご飯を作らないので、外で食べるか持ち帰って家で食べるかの二択。なのでシンガポールではなんでもビニール袋や簡易容器に入れて持ち帰りができます。

持ち帰りの料理の注文の仕方の一例です。

 

A: I want Fish Ball Noodle, dry, 4 dollars, da pao

B: Chili?

A: Ya. Can put more vinegar or not?

B: Can.

 

これを訳すと、

 

A: フィッシュボールヌードルのドライ、4ドルのを持ち帰りで

B: チリペースト入れますか?

A: お願いします。お酢を少し多めに入れてくれますか?

B: はい、わかりました。

 

なんとなく雰囲気はつかめますよね。シングリッシュはとにかくシンプルにまとめてしまう言語。最後の「Can」もとても有名なシングリッシュワードで、「できるよ!」「OKだよ!」という意味で、Canという単語1つだけですべてを表現してくれます。

またシンガポールのホーカーセンターやフードコートでは、単品料理は4ドルとか5ドルとか、金額によって量が違うのでどちらか明確に伝える必要があります。

DON WAN / NO NI

発音は「ドンワン」と「ノ二」です。

何が言いたいかというと、「I don’t want it」と「I don’t need it」です。どちらも「いらない、結構です」という意味ですが、これらがどんどん短くなって、「don wan」と「no ni」のみで通じるように進化しました。(発音のことです。書く時はみんな正しいスペルで書いています)

ホーカーセンターなどで料理を頼んだけれど、チリは入れないでほしい、という時にとても便利で、伝えることはただ一つ、

「don wan chili.」

これでOKです。

ショッピングで役立つシングリッシュ

OR NOT?

買い物に行ったときに店員さんに話しかけなければならないシチュエーションといえば、探しているサイズや色が見つからないとき。

そんなときににぜひ使ってほしいのが、【語尾につけるだけで疑問文になってしまう魔法の言葉:OR NOT】です。

発音はとても短く「おぁの」です。人によっては短すぎて「の」としか聞こえないことも。

これは実は中国語の文法にも由来していると言われていて、中国語で疑問文を作る時にこのOR NOT形式で「要不要〜」などと聞くその名残のようです。

ではショッピングの際にどのように使うかをご紹介します。

 

A: Sorry ah, you got pink one or not?

B: Got. you also want blue one or not?

A: Don wan.

B: OK la.

 

これを訳すと、

 

A: すみません、これのピンクはありますか?

B: あります。ついでにブルーのもいかがですか?

A: いりません。

B: かしこまりました

 

比べてみると良くわかりますが、同じことを言っていても、シングリッシュになると文章はだいぶん短く簡潔になります。ただしその意味合いや理解度はまったく変わらないというのがすごいところだと思います。

その他暮らしに役立つシングリッシュ

SHIOK

発音は「シヨッ」です。「Shock(ショック)」と聞き間違えそうになりますが、これはマレー語で「めちゃめちゃ良い」と言う意味だそうで、みんなは美味しいものを食べた時に

「Whaaa shiok leh~(わ〜めちゃめちゃ美味しいじゃ〜ん!」

なんて言ったりします。語尾のLehについては次の項目でご紹介しますね。

KIASU

このキアスという言葉、シンガポール人たちが彼らの性格や国民性について表現する時に良く使われます。

中国語由来の言葉というだけあって、主に中国系の人たちの「自分が先に〇〇しなきゃ損」「タダならいらない物でも持って帰る」というような「がめつい」態度のことを総称して「キアス」と言います。

ALAMAK

これは「アラマッ」と発音し、なんとその使い方も日本語の「あらまぁ!」と同じシチュエーションの時に使います。

こちらはマレー語で『Alah(アラーの神)』と『mak(お母さん)』がくっついて「Alamak」になったと言われていて、英語で言うならば”OH MY GOD”のようなものです。

シングリッシュのラ・レ・ロ活用法

シングリッシュでは語尾に中国語由来のラーがつくことは有名ですが、実は同じように聞こえていても、シチュエーションによって以下のように変化していることに気がつきます。

ラー(LAH)/レー(LEH)/ロー(LOH)

 

実は同じように使われているこのラー・レー・ローですが、それぞれ意味合いが違ってきますのでぜひ使いわけてみてください。わかりやすいように3通りすべて同じ「OK」の後につけてみましょう。

    • OK Lah → 「わかったよ!」「いいよ!」とポジティブに肯定する時
    • OK Leh → 「いいじゃ〜ん」最初どうかなと思ったけどまぁまぁ良いね
    • OK Loh → 「はいはい、わかりましたよ」「仕方ないね」

ニュアンスが伝わっているか微妙ではありますが、現地に長く住んでいるとこのくらいの違いでも感情の面での違いがわかるようになってきます。

シングリッシュの付加疑問文「〜ですね?」はぜんぶ「Is it?」でOK

通常、英語で「〜ですね?」という確認の意味を込めた付加疑問文では、その主語や時制、肯定否定などによって最後の聞き返し方が変わってきます。

ところがシングリッシュではこの付加疑問文「〜ですね?」も以下の例文のようにとても簡単になるのです。

RIGHT?

    • She is so beautiful, isn’t she? (彼女すんごくキレイだよね?)
    • She so beautiful, right?(彼女すんごくキレイだよね?)

IS IT?

    • You didn’t go to that shop yesterday, did you?(昨日あのお店には行かなかったんだね?) 
    • You never go that shop yesterday, is it?(昨日あのお店には行かなかったんだね?)

このように、シングリッシュでは大体の付加疑問文は

「Right?」 もしくは「Is it?」

 

で済ませてしまいます。三人称単数、現在過去未来、否定肯定なんてそんな堅苦しい文法、なくてもちゃんと通じます。

まとめ

シンガポールで話されている英語、その名もシングリッシュ。

外国人にとっては、最初は何を言っているのかなかなか聞き取りづらく、そのあまりにも省略しすぎな単語の短さに「ぶっきら棒な物腰」と感じる人もあるかもしれません。

またシンガポール人の中にも、シングリッシュがとんでもなく「訛った」英語であるという認識から国際化に向けて直そうとする人もいます。

でもシングリッシュは、シンガポール人の各民族のルーツや性格などが色濃く表れている言葉で、きっともはや文化の一つではないかと勝手に思っています。

文法が間違ってたり発音が違ってたらとビクビクしていた私に、間違っていてもどんどん話してOKなんだよ、と教えてくれたのは、シングリッシュでした。

ぜひ旅行などでシンガポールを訪れた際には、今回ご紹介したシングリッシュの数々、使ってみてくださいね!

 

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