シンガポールの接客マナー【劇的変化!のワケ】

先日シンガポールに行った時に、私が住んでいた頃とは劇的に違う「何か」を感じました。実はこの大きな変化に、日本に帰ってくるまで私はまったく気づかなかったのです。なぜかと言うと、日本ではそれがごく当たり前のことだから。

シンガポールに行ったのに、いろんなところで「嫌な思い」をしなかった

 

それが今回目の当たりにした、シンガポールの劇的な変化です。

劇的に変化したシンガポールの接客マナー

冒頭でお伝えしたように、今回久しぶりにシンガポールに行ってみて、彼らの接客マナーが劇的に良くなっているということに、しばらく気づいていませんでした。いつ気がついたかと言うと、日本に帰ってすぐに立ち寄ったコンビニです。

シンガポールに住んでいた時に、一時帰国や出張で日本に戻ってくると、必ず着いたその足で空港のコンビニに行っていました。

コンビニでは久しぶりの日本の食べ物を買って、いつもニコニコ笑顔で愛想の良い店員さんに接して、小銭を出しても舌打ちされることなく、むしろ「小銭、出してくださいね!」なんて言ってくれちゃう日本のコンビニ店員さんに、ささくれだった私の心は癒されていました。

ちょっと前までのシンガポールの接客

日本の空港のコンビニでなぜそれほどまでに癒しを感じていたかと言うと、理由はシンガポールでの接客マナーがひどすぎたことにあります。お客さんであるはずの私が怒られるなんてこともしばしばだったのです。

①質問をしてはならない

どのお店に行っても、してはならないことは店員さんに質問をすること。「Excuse me?」と声をかけても1回目は無視されます。2回目で「あ?」と言われ、やっと振り向いてくれますが、「◯◯ありますか?」と聞くと、だいたいの場合は確認もせずに「don’t have.」(ないよ)と言われて終わります。

②お金を出すのにもたついてはいけない

「できるだけ端数は小銭で払いたい!」なんてことは、考えてはいけません。どうしても出したい時はあらかじめそれを握りしめて行き、キャッシャーで金額を言われたその瞬間に、間髪入れずにちょっきりを出すのがコツです。

さもないと、①舌打ちされる ②指でテーブルを鳴らされる のどちらかをお見舞いされます。

③英語ができないなら帰れとシングリッシュで罵られる

これは私の元同僚が実際にお客様に向かって大声で言ったのを目の当たりにしたケースです。

シンガポール人の中には、自分たちは英語で教育を受けたバイリンガルであるということを誇りに思っている人もいて、英語が話せない人に対して小バカにしたような態度をとることがしょっちゅうありました。

 

ホテルのフロント業務をしていた私の元同僚の女の子は、チェックインの際に部屋がまだ準備できていなかったので、バーで使える無料ドリンクチケットを渡して「時間までお待ちください」と伝えていました。しかしまったく理解してもらえず、何を言っても無駄だと思ったのか

「If you don’t understand English, you should go home ok?」(英語わかんないんだったら、帰ったほうがいいよ?)

 

とコッテコテのシングリッシュでお客様に向かって言ってのけました。

④決して謝らない

ここで【シンガポールの飲食店あるある】をご紹介しましょう。

  • オーダーしたものとは違うものが出てくる
  • オーダー自体を忘れられていて出てこない

私はどちらも経験があるのですが、オーダーと違うものが出てきた場合は、「これも美味しいから食べてみろ」とそのまま間違って出されたものを食べます。オーダーを忘れられた場合は、「なぜもっと早くいいに来ない?」と逆に怒られます。

⑤スマホをいじる手は止めない、もちろん通話も

お店に行って店員さんが暇そうにレジカウンターで携帯をいじっている姿は、シンガポールではもう店員さんのデフォルト姿勢なのかと思うほど普通に行われています。

ときには普通に通話している場合もありますが、そのときも「あ、お客さん来たからちょっと待ってて」とか「またかけ直すね」なんて謙虚な態度はゼロです。

買うものを決めてレジに持って行っても、携帯はいじったまま、もしくは電話で誰かと喋りながら全てのやり取りを終わらせます。むしろ通話やゲームの合間にレジを打っているくらいの感覚です。

⑥ものを食べながらの接客は当たり前

私が住んでいた頃は、オーチャードロードの高島屋ですら、店員さんはダーパオ(持ち帰り)したご飯をレンゲで食べながら会計をしてくれていました。当時はスタッフのほとんどが自分の持ち場で食べていたのか、お昼時になるとデパートだと言うのにフロア全体が弁当の匂いでいっぱいでした。

劇的な変化

ちょっと前までのシンガポールはまさに上記のような状態でした。

買い物するにもちょっとしたストレスを感じるのがシンガポールのお店だったのですが、今回実に9年ぶりにシンガポールに行ってみて、その「ちょっとしたストレス」をまったく感じずに帰ってきたということに気づいたのです。

シンガポールで初体験

具体的にどんな風に変わったかをご紹介しましょう。

①空港の両替のお姉さんがしゃべった!

まずシンガポールに降り立って、空港で少し現金が欲しかったので両替所に立ち寄りました。そこでいくらか両替したのですが、なんと、両替所のお姉さんがしゃべったのです。

「日本円からシンガポールドルにですね?レートはこちらで、〇〇ドルになりますが、よろしいですか?」

 

まさかの。両替所のお姉さんがしゃべった。クララが立った。

今までは、日本円を出すと、無言で受け取り、無言でシンガポールドルに替え、無言で突き出してくるスタイルが主流だったので、この職業はしゃべらなくていいんだと思ってました。

②ホテルの従業員が謝った!

ホテルには備え付けのヘアドライヤーがあったのですが、ある日使おうと思ったら突然電源が入らなくなりました。ハウスキーピングに電話してその旨を伝えると、なんと電話口の女性が

「I’m so sorry for the inconvenience caused」(ご不便をおかけして申し訳ありません)

 

と言うじゃないですか。びっくりしました。そしてすぐにエンジニア部の人が修理をしにきてくれて、アッという間に使えるように。

私の中では、適当に「ハイハイ、わかりました」と電話を切られて結局誰も来ないというのを想定していたので、本当に人が来たときは感動しました。

③お店で店員さんが、何かお探しですかと声をかけてきた!

とあるお店で、私がベルトを買おうと色々見ていたときのこと。

なんともかわいらしい店員さんが、「何かお探しですか?」と声をかけてきた。

「このバックルに、このベルトをつけることもできますよ♬」なんて、あれこれ迷っている私にアドバイスをしてくれ、さらに買ったベルトをバックルにつけてくれて、「何かあったら連絡くださいね〜」とお店の名刺を渡してくれました。

なんてことだ!こんな親切な店員さんがシンガポールにいたなんて。

④全体的に、笑顔だった!

そして今回のシンガポール旅全体を通して振り返ってみると、どこに行ってもみんなが笑顔で対応してくれていたことに気づきました。国民全体的に無駄な笑顔は出さない、営業スマイルなんて概念も持ち合わせていない、いつみても仏頂面なのが、ちょっと前までのシンガポール人でした。

それが、この数年でこれほどまでに変わるとは。

シンガポールの接客マナーが向上したワケ

こんなにもシンガポール人の接客マナーが良くなったのには何か理由があるはず。と言うことで調べてみました。そこでやはり見えてくるのは、シンガポールの観光産業の急激な成長と、入国者の爆発的な増加、それに伴う賃金やステータスが上がったこと、などが大きな要因だということ。

ホスピタリティ業界の格上げ

考えてみればここ10年くらいの間でシンガポールが変わったところいっぱいありますよね。

  • F1がきたり
  • カジノができたり
  • マリーナベイサンズができたり
  • ユニバーサルスタジオができたり
  • セントーサ島がまるっきりリニューアルしたり
  • Crazy Rich Asiansなどシンガポールのイメージを抜群に変える映画ができたり

シンガポールは飛ぶ鳥も落とす勢いで成長してきました。実際にシンガポールを訪れる入国者の数も、

2005年 8,943,029人
2010年 11,641,700人
2018年 18,506,619人

と、私がシンガポールに住んでいた頃(2002〜2010)と比較するとほぼ2倍になっているんですね。

①シンガポールの観光産業がものすごく発展!国をあげてのプロモーションも

そして海外からの入国者が増えると当然必要になってくるのが、ホスピタリティ業界の充実。これもシンガポール観光局がデータをすべて出しているので簡単に調べがつきました。シンガポール国内全ホテルの年間売上でも、

2010年: SGD 2,302million

2018年: SGD 3,998million

(Singapore Tourism Board, Hotel statisticsより抜粋)

 

2010年に比べて8年の間でざっくり1.7倍。しかも2019年もさらに成長傾向にあるということでした。そしてこの間にもシンガポール国内のホテルは次々と増え続け、2019年中に新たに7件のホテルが完成予定です。

またシンガポール観光局は2004年頃から継続的に国をあげて大々的なプ観光プロモーションを精力的に続けていて、【Uniquely Singapore】や【YourSingapore】、そして現在は【Passion made Possible】というキャンペーン名のもとに、”国民総出でシンガポール観光を盛り上げよう”的な活動が行われてきました。

②ホスピタリティ業界=きつくて貧乏のイメージが払拭された!

ぶっちゃけていうと、私がシンガポールで働いている頃は、マネージャーなどのタイトルを持たないホテルのフロントスタッフの賃金はマジで信じられないくらい最低でした。どれくらいだったかというと、色々引かれて手元に残るのは1000ドル前後(7万円くらい)だったのです。

マネージメントに上り詰める人はだいたい海外の大学でホスピタリティの専門分野で学位をとった人で、それ以外は高卒かPoly-techと呼ばれる専門学校を出たばかりの若手がほとんどでした。

④ホスピタリティ業界の賃金、ステータスが上がった

引用元:salaryexplorer.com

ところが今回この記事を書くにあたって、過去〜現在のシンガポールのホテル業界での平均賃金の推移を色々と調べてみました。するととんでもない事実が明らかに。なんと、その平均賃金の上がり幅がハンパないということ。

上記の表ではフロントデスクエージェント(ホテルのフロントでチェックインとかチェックアウトとかする人)の平均賃金が月5000ドル超えているらしいんです。もちろん勤務経験年数や、最終学歴、勤めるホテルのグレードによって大幅に変動するとのことですが、

引用元:salaryexplorer.com

当時の私の同僚のように専門学校を卒業したばかりの若い人であれば、この表の一番左側の【勤務経験0−2年】に当てはまるわけですが、それでも平均3293ドルほど。なんと当時の約3倍ですね。

もはやホテルのフロントはきつくて安月給、人の入れ替わりが激しくて入ってもすぐ辞めるという時代はとっくに終わっていたのです。

まとめ

9年ぶりに行ったシンガポールは、もはや私が7年間住んでいたシンガポールではありませんでした。

どこに行ってもみんなが当然の様に笑顔で親切。国をあげてシンガポールを観光大国にする活動と、賃金アップでハッピーなスタッフたち。

私がホテルで働いていた頃、その賃金の安さにどんどん辞めていく同僚たちの姿を見ていただけに、なんだか色々改善されているようで何かホッとしたような、あの頃もこれくらいの水準だったら苦労しなかったのになぁ、というちょっと悔しいような、複雑な気持ちになりました。

 

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