外国人から見る日本人とは。
一般的には、マナーがよいとか礼儀正しいとか、そんなイメージを持たれていると思っていませんか?
もちろんそういう一面が評価されたり、「日本人のすごいところ」として報道されていたりするのは事実です。
ただし日常生活の中ではどうかというと、日本人にとってはごく「普通」のことでも、外国人からは理解できないこともたくさんあるようです。
目次
外国人からすると「普通」ではない日本人の常識
海外に住んだ経験のある日本人ならきっと今日ご紹介する内容に強く賛同してもらえると思うのですが、海外にいると仕事や生活の中で「絶対日本人しかしない行動」というものがとても目につくようになります。そして時としてそれはちょっと恥ずかしく思えたり、あきれてしまうようなことも。
仕事編
日本人は真面目で働きすぎと言われていますが、それは異常なほどの長時間労働だったり、急な出張や転勤を断れないとか、そういう変なルールをみんなが暗黙のうちに容認してきたことに原因があるのかもしれません。
① 暗黙のルールが多すぎ
働く日本人の間では、誰も口にしないしもちろん社則にも書いていないのに、かたくなに守られ続ける「暗黙のルール」というものが死ぬほどあります。
他の人より早く帰ってはいけない
自分の仕事はとっくに終わっているのに、上司が帰っていないからまだ帰れない、同僚が残業しているから1人だけ先に帰ることはできない。
海外ではそんなこと1ミリもありません。みんな時間までにきっちり仕事を終わらせて、我先に帰ります。それで何ら問題はないのです。残っていたって誰も褒めちゃくれません。
イヤホンをしたら非常識
海外で仕事をしていると、働き方は人それぞれです。
午後になるとちょっと気分転換に好きな音楽を聴きながら仕事をしている人もけっこういます。
そんな姿を見て、私も煮詰まったときに頭を切り替えたくて音楽を聴いてみたのですが、これがなかなか良いのです。音楽のジャンルと音量にさえ気をつければ、BGM的に流していてもふつうにリラックスして仕事に集中できます。
ですが日本ではこれは「サボっている」カテゴリーに分類されます。私も実際に注意を受けました。その理由は、「仕事中に音楽を聴くなんて非常識」なのだそうです。
② 休むことは「悪」である
日本人は「休む」ことに関しては厳しすぎるくらいの嫌悪感を持っています。本当は誰もが休みたいと思っているのに、それを言ってはならない。休みを取りすぎてはいけない。有給休暇を全部使い切るヤツなんて堕落の極み。
面接で休みのことを聞いたら
これは就活中の学生がとくに気をつけていることなのですが、面接を受けに行った先で、休みについて質問してはいけないというのです。
「働く前から休むことを考えているなんて、やる気がないのか!」と落とされるケースがあるのだとか。「休みのことを聞く=やる気がない」と判断する短絡的な面接官。
そんなことを言われる会社はむしろこっちから願い下げですが、いまだにそんな発言がまかり通ってしまう日本の企業。日本が世界に取り残されている理由はそういうところにあるのかもしれませんね。
体調が悪くても、「這ってでも出てくる」美学
真っ青な顔して、マスクに冷えピタに、フラフラしながらまさに「這うようにして」出勤してくる。
大事な会議だから穴を開けるわけにはいかないとか、これくらいの風邪で休んでたら社会人失格だとかナゾなことを言う。
あなた1人が休んでも会社は回ります。むしろ菌をバラまくのはやめろ。
③ 生産性が低すぎ
日本人といえば長時間労働、休日出勤当たり前、ランチもデスクで済ませる勤勉な人種。
ところが私が実際に海外と日本と両方で働いてみて驚いたことは、
ということ。個人のパフォーマンスがどうこうと言うよりは、組織として物事が進むのがいちいち激遅いのです。
『検討します』
私はこれまで多くの企業翻訳をやってきましたが、日本の会社の資料や書面で一番困る表現がこの「検討する」というものです。
日本ではよく使いますよね。「検討します」という一言で、
- 会社に持ち帰って会議にかける
- 自分1人でもう一度精査し直す
- ただ薄っぺらく「考えておきますね〜」
など、いろんなシチュエーションで万能に使えて、いろんな意味を含むのです。でも英語では具体的に何をするのかをしっかり伝えるので、「検討します(We will discuss about it)」なんて曖昧な表現はしませんし、実際にのらりくらりと「検討する」だけでなかなかアクションに移らないなんてことはありえないのです。
『持ち帰ります』
日本人はすぐに仕事や案件を「持ち帰り」ます。なぜなら自分1人では決められない仕組みだからです。強固な歯車の一部になるように育てられた日本人たちは、重大な決断は1人ではしてはいけないと教わっているので、必ず案件は何度も持ち帰って、そして何度も「検討します」ので、時間がかかって仕方がないのです。
スピードがものを言う時代には取り残されてしまいますね。
食事編
日本食は今では世界各国どこに行ってもとても人気のある食べ物になりました。日本食を食べる外国人が増えたことで、日本ではごく普通なことが、外国人にとっては信じられないものだったりすることがわかってきました。
ただしこれは郷に入っては郷に従えと言うことわざ通り、日本ではそれが常識なので、外国人とはいえそれについて文句を言うことはタブーといえます。日本にいる限りはそれが「変なこと」に見えてもそれを尊重するべきと、私は思います。
① ズルズルと音を立てて食べる
日本人は生まれた時から麺類はすすって食べるものとして育っています。なのでわざと「ズルズルと音を立てて食べてやるぞ!」と思わなくても自然とそう食べるように体が覚えています。
また日本人は食事の時にスプーンを使う文化がありませんので、熱い汁物も直接おわんから飲みます。そのため口の中を火傷しないように空気を含ませるわけですが、そこでもずずっと音が出ます。これも日本人特有のものかもしれません。
そんなほとんど日本の食文化の一環になりつつある「すする」という行為ですが、やはり一歩日本を出たら、麺類や汁物がでてきても少し気をつける必要があると思います。
突然まわりの空気も読まずに大きな音でズズズっ!とやると、とてもびっくりされますし、国によっては音を立てて食べることは人を不愉快にさせる【マナー違反】と捉えるところも少なくありません。
② ぬるぬるした食べ物を好む
どんなに日本食が大好きな外国人でも、なぜわざわざこれを食べるのか?と疑問になるものがあるのだそうです。それは、
です。オクラは海外でもよく食べられるぬるぬる系の野菜ですが、オクラにはそれ自体の食感がきちんとあってのぬるぬるなので気にならないのだそう。
納豆はどうかというと、意外と平気な人も多く、その決定的な違いは、「sticky」か「slimy」かの違いなのだそうです。
Sticky (スティッキー)→ ネバネバ・ベタベタ
Slimy (スライミー)→ ぬるぬる
このぬるぬるを意味する「スライミー」という単語は、「スライム」のような感触という、【気持ち悪いもの】を表す言葉。
外国人にとってはぬるぬるしたもの=気持ち悪く汚いもの、というイメージがあるようで、絶対に食べたくないものなのだとか。
生活編
毎日の生活の中で、ごく普通にやっていること。それが外国人からすると信じられないほど危険なことだったり、不用心すぎる行動だったり。日本が安全な国がゆえにやってしまいがちな行動、ご紹介します。
① 公共の乗り物ですぐに寝る
バスや電車、地下鉄、タクシー。どんな乗り物に乗っても、疲れていたりするとほどよい揺れが心地よくなって、つい眠くなってしまいますよね。
ところが海外に行ってふと気づくと、公共の交通手段の中でがっちり眠っている人って、ほとんどいないんです。言わずもがな、そんな無防備なことをしたら手荷物を根こそぎ持っていかれかねないからです。
しかもタクシーで寝てしまうなんて、どこをどう回っているかもわからず、しかも最悪な場合違うところに連れていかれることだって考えられるのです。日本では寝てても起きてても目的地にたどりつくのが当然ですが、海外ではそうとは限りませんので気をつけましょう。
② 貴重品で席取り
混み合ったカフェでやっと1席確保できた!!そんなとき、その席にバッグを置いて、財布だけ持ってコーヒーの注文に行ったりしてませんか?
カフェで仕事をしていたけれどトイレに行きたくなった。トイレは席のすぐ近くだし、そんなに人もいないからパソコンも携帯も、なんならバッグごと置いたままでトイレに行ったりしてませんか?
それ、海外では『どうぞ持って行ってください』と言われていると思われるようです。
番外編: 毛の処理をしない
番外編です。日本人もここ最近やっと脱毛が一般的になってきましたよね。料金が下がってきたということと、「脱毛する」ということが恥ずかしいことという変な概念がうすれてきたからでしょうか、今では高校生でも気軽に脱毛に通える時代。
でも少し前までは、外国人にとっての日本人の不思議なところは、男性も女性も毛の処理をしないということでした。
外国人にとっては、「生やしっぱなし」でいることは「不衛生」だったり「身だしなみが行きとどいていない」という考え方なのです。だから男性も女性も、ワックスや光、レーザーなどで綺麗に整えています。
身だしなみとしての「毛の処理」。日本ではともすると「変わった性的趣向」などと捉える人もまだいたりしますが、「毛ゼロ」が当然の時代もすぐそこまで来ていますよ。
まとめ
今回は、日本にいる日本人には極めて普通のことでも、海外や外国人から見たらとっても変に見えている日本人の行動についてご紹介しました。
すべてが悪いというわけでは決してありませんが、やはり改善した方が国際社会で通用する日本人になれる部分もあると思います。また、日本はとても安全な国。海外に行くときは決して日本にいる時と同じ感覚で出歩かないようにしましょう。
コメントを残す