元ホテルウーマンが明かす!シンガポールのホテル勤務の実情

こんにちは、のりこです。

旅行先のホテルといえば、『非日常』を演出してくれる特別な空間ですよね。

そこで働くスタッフも、整った身なりと絶やさぬ笑顔で丁寧におもてなしをしてくれて、快適な滞在経験のお手伝いをしてくれます。

今回の記事では、シンガポールのホテルでマネージャーとして働いてきた私自身の経験を盛り込みながら、一見華やかなイメージの「ホテル勤務」の実態についてご紹介したいと思います。

接客業の最高峰、ホテル業界

「ホテル業界」は接客業の中でも「最高峰の接客品質」を要求される分野ですし、ホテルで働くスタッフたちも皆、誇りを持ってその仕事に取り組んでいます。

ホテルのマネージャークラスには元客室乗務員などもゴロゴロしていて、メイクの仕方やヘアスタイルなども含め、接客のイロハを日々トレーニングしてくれています。

ところが、一見華やかに見えるホテルウーマンの生活も、実は楽しいことや派手なことばかりではありません。

華やかさの裏にひそむキツーイ労働条件

一般的にホテル業界で働くデメリットとしてウワサされているのは、

  • 不規則な長時間労働
  • 休みが少ない
  • 理不尽な客のクレームに対応しなきゃいけない
  • 給料が安い

など、日本でいうなら3K(きつい、汚い、給料安い)みたいな過酷な職場環境。

まさか今どきこんなブラック企業みたいな働かせ方するところなんてないだろう!なんて思ったら大間違い。

上記にあげた項目はウワサでもなんでもなく、すべて事実の【ホテル勤務の実情】です。

 

ホテル勤務の実情ーお客様編

当時私が務めていたシンガポールのホテルでは、本当に毎日が激務の連続でした。

早朝から深夜までの長時間労働、休みは週に1回だけ。

それだけでもかなり消耗するのですが、それに加えて毎日次から次へとやってくるユニークなお客様たちの対応。

日々繰り広げられる珍事件の数々

ホテルというところは、ある意味人種のるつぼであり、毎日入れ替わり立ち替わり世界中から色んな人が集まります。

シンガポールはアジアのビジネス拠点ということもあって、そのほとんどが世界を股にかけて仕事をするビジネスマン。みなさんとてもスマートで洗練された雰囲気の方ばかりです。

ところがホテルで働いていると、時々びっくりするような事件に出くわします。

① 血だらけの男

ビジネスでシンガポールに来ているお客様は、夜にはだいたい会食や宴会に招かれるのでホテルに戻る頃には皆さんお酒が入っています。

ほろ酔い程度でシャキッと帰ってくる方もいれば、タクシーを降りてからも超ご機嫌で千鳥足で部屋に戻る方もいます。

そんな中ショッキングだったのが、まるでドリフのコントのようにスーツがボロボロになり、頭から顔から血だらけになってホテルに戻ってきたお客様がいました。

あまりの悲惨な様子に、誰かに襲撃されたのかと心配したのですが、そのお客様は酔っ払って歩いて帰ってくる途中で、ホテルの近くのドブに落ちたのだそう。自爆事故でした。

翌日仕事に向かうのに着ていけるスーツがなくなってしまった彼は、結局「ホテルのユニフォーム」を借りて颯爽とオフィス街に向かって出発しました。無事で何より。

② 理由なき部屋がえ希望の女

ホテルで働いていると、必ずと言っていいほどこういうケースに遭遇します。それは深夜にお客様がロビーに降りてきて、『お部屋を替えてもらえないか』と言うのです。

ホテルが満室でなければ違うお部屋に交換してあげることも可能なのですが、その時は必ず理由を聞かなければいけません。もし今の部屋に何か不具合があるのであれば、次のお客様のためにもそこを修繕する必要があるからです。

でも、スタッフが部屋交換の理由を聞いても、こういう時のお客様は明確に答えたがりません。

ホテルのスタッフはこれまでの傾向からだいたいの理由が想像できるので、そんなお客様には黙って違う部屋を用意して、できればベルマンも同行して部屋交換のお手伝いをします。

理由はおわかりですね。

実は世界中どこのホテルに行っても、いわく付きの部屋というのは存在するものです。

③ 部屋と廊下を間違った男

深夜のホテルでは、毎晩のようにいろんなことが静かに起きています。

ある日はお客様からフロントに電話が入り、「廊下で男性が倒れている」との連絡が。

慌てて見に行くと、まっすぐ伸びたホテルの廊下の先に、確かに全裸の男性が倒れているのを発見。

何事かとスタッフもびっくりして、おそるおそる近づいて生存確認をすると、その男性はグーグーいびきをかいて寝ていました。

命の危険などはなさそうだったのでその男性を起こすと、酔っ払って帰ってきて、トイレから寝室に入って寝たつもりが、違うドアだったらしく廊下に出てしまったらしいとのこと。

こんなうっかりミスでホテル中のスタッフが騒然とすること、よくありました。

④ ロビーの飾りを根こそぎ行くグループ

時には団体のお客様がくることもあります。

私が働いていたホテルには、中国や韓国からの団体ツアー客が毎日のように宿泊していました。

サンバイザーをつけ派手な色のポロシャツが印象的なおばちゃんたち。毎回違うグループが到着しているはずなのに、みんな揃って同じ行動をとります。

ホテルのロビーに置いてある小さなりんごを、すごい勢いで根こそぎ持っていくのです。

 

それは巨大なガラスの器に高々と積み上げられた、オブジェのように陳列されているりんごなのですが、そのサンバイザーのおばちゃんたちは、ポケットというポケットすべてにねじ込み、バッグにも詰め、それでも飽き足らず持参したビニール袋にもキツキツに詰める。

きっと食べてもそう美味しくはないはずの、オブジェ用小りんご。

あんなに大量に、あの後どうしたのかは、いまだに謎のままです。

ホテル勤務の実情ースタッフ編

ここからはさらにホテルのディープな裏側をご紹介しましょう。ホテルで働く同僚たちとの関係性やユニークな特徴など、日本では考えられないことが起きているのがシンガポールのホテルです。

ローカルスタッフをまとめる外国人マネージャーの苦悩

「外国人マネージャー」って、私のことです。

私はゲストリレーションマネージャーという部門のマネージャーをしていたのですが、仕事内容としては、

  • VIPやリピート顧客にまつわることすべて
  • エグゼクティブクラブのラウンジ運営
  • フロントスタッフのマネージメント

が主たるものでした。

多民族国家のシンガポールだけに、同じ職場にも中国系、マレー系、インド系といろんな人種のスタッフがいます。

シンガポール人のマネージャーでさえそんな多様な彼らをまとめるのは大変だというのに、私の場合はさらに英語もネイティブじゃない上に、ホテルでの勤務経験も彼らより短い、どこの馬の骨とも知れない日本人だったわけで、それはそれは本当に毎日が戦いのような日々でした。

① 伝家の宝刀、有給の病欠(MC)

以前シンガポール人がしょっちゅう使う、通称MCと呼ばれる病欠の制度について記事にしましたが、ヤツらのこの休暇の取り方はとにかくえげつないのです。

▽関連記事はこちら▽

シンガポールのSick Leave 【通称MC(エムシー)】

伝家の宝刀、MC。それをふりかざされたら、泣く子も黙るしマネージャーも黙る。

その突然のMC宣言に何度泣かされたことか。朝6時出勤のスタッフがMCをとるとなれば、私に連絡が来るのが朝の4時とかです。

そんな時間にメールする余裕があるなら、起きて身支度をして出勤してほしいものです。

② 多民族国家ならでは!宗教行事のしわ寄せ

私がホテルで働いていたときの仲間は、ほとんどがマレー系シンガポール人でした。

イスラム教徒である彼らは、断食の期間【ラマダン】がやって来ると、日の出から日没まで、一切の飲食が禁止になります。

ラマダン中のある日、私が必要なものを取りにエグゼクティブクラブラウンジのパントリーに入ると、そこはまるで泥棒でも入ったかのような状態で、冷蔵庫の食べ物が食い散らかされていました。

一体何事かと不安になったのですが、その原因はすぐにわかりました。

ラマダン(断食)でお腹が空きすぎたマレー人スタッフが、日がくれたその途端もう我慢できなくなって、パントリーにあった予備の食材を全部食い尽くしてしまったのです。

びっくり。

まとめ

今回の記事では、私が実際に経験してきたシンガポールのホテルでの様々はエピソードを、【お客様編】と【スタッフ編】に分けて紹介しました。

日々入れ替わるお客様。スマートに全てを爽やかな人もいれば、「俺は客だぞ」といばる人も。ホテルで働くスタッフは、それぞれに合った接客を臨機応変にできることが求められます。

そして一見華やかなように見えても、実はその働き方はかなりハードなホテル業界。そこで長く働いていくためには、

  • 強靭な体力
  • 打たれ強い精神力
  • 全てを許す広い心

この3つが必要不可欠な要素になってきます。

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