こんにちは、のりこです。
みなさん今日のご飯は、何を使って食べましたか?
私たち日本人が普段使っているのは、箸。
幼い頃から使い方をみっちり教えられ、家族がそれぞれ自分専用の「マイ箸」を大切に使い、大人になった今となっては細かい焼き魚の小骨まで上手に取りのぞくことができちゃうほど器用に使いこなすようになりました。
目次
国や地域によって全然違う食事作法
でも一歩違う国に飛び出せば、そこにはまた全く違う文化があるのです。同じ箸文化の国でもマナーの違いがあったり、箸は使わずに違う方法で食事をする国があったり。
最終的には【食べ物を口に入れる】という同じ目的を達成するための動作なのですが、国や地域によってその手法や作法は様々。
世界の代表的な食事作法
① 手食(手で食べる)
手で食事を掴んで口に運ぶ食事作法。日本人にはなかなか馴染みのない食べ方ですが、実はインドや東南アジア、中近東、アフリカなど、とても多くの国や地域で使われていて、その数は世界全体の約40%にものぼるのだそうです。
ちなみに私が住んでいたシンガポールでも、インド人やマレー人は、家で食事をするときはみんな手で食べていました。
手食の特徴
手食の文化を持つ国や地域では、大皿におかずやスープ、カレーなどがドーンと盛られて出され、それを個別の皿に自分でとり分けて食べるスタイルが多いです。
手食文化圏で食べられているおかずは『大胆にぶっかけるもの』がほとんど。皿に盛られたごはんに、おかずやスープをかけたら、右手を使って一口分だけささっと混ぜて、いい感じに味が混ざったところを一度キュッと指でピラミッド型にプレスして、口に運びます。
手食の注意事項
手食する民族の御宅に招かれたり、インド料理やムスリムレストランで食事したりしても、異文化出身のお客に対してはフォークやスプーンを用意してくれるのが一般的。なので外国人がそこで手食を強要されることはありません。
でも【郷に入っては郷に従え】ということわざ通り、訪れた先の文化を取り入れて手で食べてみるのも良い経験になりますので、トライしてみることをお勧めします。
ただし、手食を試してみる際にはやってはいけないタブーもありますので注意してください。
- 食べる前と食べた後は必ず手を洗う
- 必ず右手で食べる(左利きの人も)左手は絶対ダメ
- 使って良いのは指3本だけ(親指、人差し指、中指)
- みんなでシェアする大皿のおかず・スープはスプーンやお玉を使って取り分ける
特に不慣れな人がやってしまいがちなのが、指を5本全部使ってしまうことです。5本全部使うのはとても卑しいイメージを与えてしまうそうなので、3本だけでスマートに食べるようにしましょう。
② 箸食(箸を使って食べる)
この食事作法は、日本をはじめ多くのアジア諸国ではるか昔から使われていて、現在では世界全体の約30%が箸を使って食事をしていると言われています。その主な国は、中国、台湾、日本、韓国と、東南アジアの一部など。
同じ箸の文化を共有しながらも、上記の国ではそれぞれに違う箸のスタイルが確立しています。
- 中国・台湾:プラスチックの長くてまっすぐな箸(遠くにあるおかずにもちゃんと届く)
- 日本:木製、もしくは竹製の塗り箸。先が細くなっている(魚など細かいものを食べるため)
- 韓国:銀製の平べったい箸。スプーンも併用する(おかずは箸で、ごはんと汁物はスプーンで)
- 東南アジア:中国と同じプラスチック箸。竹の使い捨て箸も多い。
箸食の特徴
箸を使ってものを食べる国や地域の特徴としては、
- 食事はアッツアツが提供される
- 長い麺を食べる
- おかずに『挟んで掴むもの』が多い食文化
といった特徴があるようです。
確かに、これらの国々でよく食べられている熱々のスープに入った麺類は、箸でなければ非常に食べづらいですよね。
そして一例にすぎませんが、日本食なら天ぷらやおひたしや焼き魚、韓国料理ならキムチにナムルなど、『挟んで掴むもの』がこの箸文化圏には多いのです。
箸食の注意事項
箸を使って食事をする際のタブーは、その国によって大きく異なります。おそらくその中でもタブーの数がダントツで多いのは日本です。
「迷い箸」だの「合わせ箸」だのとちゃんと名前までつけられて、日本人は子どものころから箸のマナーを叩き込まれます。
それに比べてほかの国々はとても緩め。
例えば、韓国では箸を両手に1本ずつ持って食べ物をちぎったり混ぜたりするのに使いますし、中国では箸と箸で食べ物をわたし合ったりすることも日常茶飯事。
たった一つだけ、これらの国全部に共通してやってはいけないことは、『箸で人を指す』ことなのだそうです。
③ ナイフ食(ナイフとフォークを使って食べる)
ナイフ食とは、主に欧米やオセアニアなどで使われている『ナイフとフォーク』で食べる作法のことです。
このナイフ食が使われている地域はアメリカ、ヨーロッパ、ロシア全域ととても広く、世界全体の約3割がこの作法で食事をしているのだそうです。
ナイフ食の特徴
食事にナイフが出てくるということは、これらの国では『切って食べる』おかずが多いことを示しています。確かにこれらの地域では、肉はかたまりでローストされたりするのが主流。
箸食圏でも肉は食べられていますが、だいたいがすでに細かく切られたりスライスされて調理されているので、各自が切って食べる必要はなく、『箸で挟んで』食べるのです。
ナイフ食の注意点
私たち日本人にとっては、「ナイフとフォークで食事をする」というだけで急にハードルが高くなったような気がしますが、それは高級フランス料理のフルコースなどのときだけ。
ナイフ食圏の人たちは毎日普通に、私たちが箸を使うのと全く同じ感覚でナイフとフォークを使いこなしています。
そしてやはりそこにもいくつかのタブーがあります。
- ナイフを口に入れてはいけない(ナイフについた食べ物やソースをなめない)
- パンはナイフで切ってはいけない
- 食べる分だけ切って食べる(一気に細かく切り分けない)
当たり前のことのように見えますが、日本人が意外とやってしまうのが、
これはマナー違反ですので気をつけましょう。
番外編:『ご飯』を主食とする国の食べ方あれこれ
以前、日本人のこめに対するこだわりについての記事の中でもご紹介しましたが、同じ『ごはん』を主食としている国々の中でも、その米の違いによって食べ方や作法も変わってくるのを知っていましたか?
▽関連記事▽

スープとご飯、どちらをどちらにかける?
スープとご飯があるとして、その二つを一緒に食べるとしたら、あなたはどちらをどちらに入れますか?
- ご飯をスープにドボンする
- スープをスプーンですくってご飯にかける
食べ方としてはこの二択しかないのですが、どちらが主流になるかはその国や地域によって変わってきます。
日本・韓国はスープにドボン派
日本と韓国では、どちらかというと『ごはんは汚さない』傾向があります。スープとごはんを一緒に食べたい時は、ごはんをスープの中に入れて、まぜまぜして食べます。日本ならおじやや雑炊、韓国ならクッパですね。
中国系・東南アジア諸国はごはんにかける派
一方その他の国や地域では、『スープは汚さない』人がほとんどです。ごはんとスープがあったら、ごはんの上にスープをスプーンですくってさらっとかけます。日本や韓国のように、汁物の中に豪快にごはんを入れて混ぜるのではなく、お皿の上で一口分、食べる分だけ混ぜて食べます。
まとめ
今回の記事では、それぞれの国で使われている食事作法の違いやその注意点についてご紹介しました。
ところ変われば食べ方変わる。日本では普通と思っていたことも、一歩外に出れば普通ではなくなったりもするのです。
【郷に入っては郷に従え】の言葉通り、海外で異文化を体験できる時にはぜひ、正しい知識を持ってその国の習慣に従ってみてくださいね。
コメントを残す