シンガポールで出会ったインドの文化と暮らし

ワケあって【シンガポールに住むインド人の暮らし】にやけに詳しくなった、のりこです。

多民族国家のシンガポールには、中国系、マレー系、インド系、ユーラシア系と、様々な民族が仲良く共存しているわけですが、その中でも『インドの文化』って、日本人にはなかなか馴染みのないものではないでしょうか?

最近でこそインド人が営む本格的インド料理店が、日本のどこにいても普通に見つけられるようになりましたが、ひと昔前の私にとっては、インド人やインドの文化、インドの料理、インドの言葉などなど、そのすべてがとても遠い存在でした。

「ガネーシャ」とか「アーユルヴェーダ」とか、そんな名前を聞けば、「あーむかし社会科の授業で習ったような気がするね」というレベルでほのかに思い出すものの、実際にはどれも私と無縁のもののような気がしていました。

なので、私とインドの文化がこんなにも密接になる日が来ようとは、夢にも思っていませんでした。

シンガポールでの友人第一号はインド人

私のシンガポール生活の中で、一番最初にできた現地人の友達は、インド系シンガポール人のマノさんでした。

▽関連記事:マノさんとの出会いはシンガポール到着時の空港で▽

マノさんは勤務先の上司ではありましたが、4歳違いと年齢も近かったためすぐに仲良くなり、リトルインディアにある行きつけのインド料理店を教えてくれたり、家に呼んでくれて家族と一緒に食事したり、彼のインド人仲間と遊ぶ時もいつも連れて行ってくれました。

日本を離れてわずか数週間で、私のシンガポールライフは突然インド文化にどっぷりハマることになったのです。( ´ ▽ ` )

北インドと南インドの文化

インド文化と一口に言っても、そのルーツが北インドなのか南インドなのかによってその文化は大きく異なります。

そもそもインドは国土がめちゃめちゃ大きいので、南北に分かれるだけでも気候や言語、肌の色、食文化に至るまで全然違うのです。

例えば、日本でインド料理といえば「ナン」が定番ですが、ナンやチャパティなどの【粉もの】は北インドの食文化なのに対して、南インドではお米が主食として食べられています。

北インドのカレーはややクリーミーでマイルドなものが多いのに対して、南インドのカレーはシャバシャバで強烈なスパイスが効いていて、手でご飯とよく混ぜて食べます。

また南インドの人たちには菜食主義者も多く、美味しいベジタリアン料理が充実しているのも南インドの文化と言われています。

肌の色も、北インドの人たちは比較的白いのに対して南インドは浅黒い人が多く、話す言葉に至っては、北はヒンディー語に南はタミル語と、本当にいろんな面で全然ちがうのです。

のりこ

シンガポールの有名なインド料理といえば、『フィッシュヘッドカレー』。シャバシャバのカレーに大きな魚の頭が丸ごと煮込まれているものを、バナナの葉っぱをお皿に使ってご飯にかけて食べます。ちなみにこれは南インド料理でありながら、シンガポール独自に作られているものなんだそうです。

インド系シンガポール人の一般家庭の生活

シンガポールに暮らすインド人たちのほとんどは南インドがルーツの家庭が多いようで、マノさんの家も、ご両親が若い頃にインドからシンガポールに移住してきた南インド出身の家庭でした。

実は私はシンガポールに引っ越したばかりの頃、勤務先のホテルに住んでいたのですが、その時のあまりのプライバシーのなさに(関連記事参照)、少しの間マノさんの実家にホームステイさせてもらっていた時期がありました。

▽勤務先のホテルに住んでいた頃の様子▽

【シンガポールの生活】ホテル暮らしのメリット・デメリット|勤務先のホテルで暮らした6ヶ月間の実態

マノさんの家での居候生活は、長くはなかったもののそこで目の当たりにした『インド人一家の普段の生活』はなかなかのカルチャーショックでした。

① マジで3食全部カレー

インド人の家庭では真面目に1日の食事3食すべてがカレーという日がほとんど。たまに違うものを食べることはあっても、基本的に彼らが料理を作る時には、どうしても色んなスパイスを入れずには気がすまないらしく、何を作ってもカレー風味になってしまうのです。

マノさんの家では、外食文化が盛んなシンガポールの中では珍しく、毎日家でお母さんかお父さんがご飯を作ってくれていました。あまりにもカレーが続くのでちょっと面白くなってきて、

『毎食カレーで飽きないの?』

と聞いてみたところ、

『具材が変われば全くの別物』o(^▽^)o

という考え方なのだそう。朝はチキンカレー、昼はシーフードカレー、夜はマトンカレー。同じカレーでも中身が違うとそれは別の食べ物として認識するようです。

日本で言うなら、毎日具材が変わって出てくる味噌汁のような感覚なのかもしれません。

② 食材はリトルインディアで調達

彼らは毎日家で料理をしているのですが、そのカレーに使われるたくさんのスパイスたちは、その辺のスーパーでは売っていないものがほとんど。

マノさんのお母さんは毎日綺麗なサリーを着て、シンガポールの観光名所の一つでもあるインド人街『リトルインディア』まで、インドから直輸入の食材を買いに行っていました。

リトルインディアにはインドから取り寄せられたものすごい数のスパイスや調味料が売られていて、それだけでその街全体がスパイスの香りに包まれるほど強烈でした。

③ お風呂は水浴び

インド人全員がそうとは限りませんが、少なくともマノさん一家や彼の友人たちは皆、朝お風呂に入る時は、冷たい水をザバザバと浴びるタイプの行水をしていると言っていました。

もちろん家にはちゃんとお湯が出るシャワーもあったので私はそれを使っていましたが、マノさんたちは『朝 冷たい水を浴びるとシャキッと身が引き締まる』と言っていました。

インド人一家が住んだ後の家はなかなか買い手がつきにくい
シンガポールで家探しをしていた時に、何軒かに1軒は『前の住人がインド人だったな』とすぐにわかる家がありました。彼らは毎日家で強烈なスパイスのカレーを作り、家の中にはヒンズー教の祭壇を祀っていて、そこでお香や火を焚いたりするので、独特な香りが家に染み付いているのです。次に入居する人もインド人なら問題はなさそうですが、どうしても他の民族にはその家は売りにくくなるのだとか。

圧倒的なインパクト、ヒンズー教の奇祭

ぶっとい針を体中に刺して練り歩く奇祭、タイプーサム

 

シンガポールには、タイプーサムと呼ばれるヒンズー教徒の苦行のお祭りがあります。

お祭りといってもめでたい空気感はゼロで、『きつい苦行を積むことで邪気を払ったり願いを叶えたりする』修行の一つだそうなので、とても厳かな雰囲気で進められます。

体中に針を刺してカバディと呼ばれるお神輿のような金属の装飾を体で支え、人によっては舌やほっぺ、唇などにぶっとい串を突き刺して、お寺からお寺へ約4〜5kmの道のりをひたすら歩くと言う、見ているだけでも痛々しいもの。

ちなみに私はマノさんのお友達がこのカバディを担ぐと言うので、マノさん一家と一緒にタイプーサムの行列に参加させてもらい、夜通しインド人たちと歩いてきました。

針を刺す間は大音量の音楽が流されたり、仲間が耳元で大きな声で祈りの言葉を叫んだりするので、刺される人もちょっとしたトランス状態に入り痛みを感じないのだそうです。

のりこ

マノさんのお友達は、ほっぺに直径7〜8ミリはあろうかというぶっとい槍のようなものを、右の頬から口の中を通って左の頬まで貫通させていました。その他にも舌にピアシングしている人や、女性は大きな甕に牛乳をなみなみと入れて頭の上に乗せて歩く人など、その苦行のやり方は人それぞれでした。

インド系シンガポール人の夜遊びスポット

インド人たちの夜の遊び方もまた独特。彼らは中国系やマレー系など多民族の友達と出かける時は、普通にパブやバーになどに行くのですが、インド人同士が集まると、必ず郊外にある怪しげな『インドバー』に行くのです。

歌って踊るインドバー

そのインドバーでは、店員さんもお客さんもインド人オンリーです。

『インド人オンリー』といっても、別にインド人以外の人種が入れないわけではなく、この感じのテイストを好むのはインド人オンリーなので必然的にそうなってしまうのです。( ´ ▽ ` )

大音量でかかっているインドPOPと、スクリーンではボリウッド映画が上映されていて、映画に合わせて歌ったり踊ったりできるディスコ的な空間も。

そして決まった時間になると、パフォーマーの女性が現れて、インド音楽独特の甲高い声で生歌を披露してくれたりもします。

私はマノさんと彼の友人たちと何回か行きましたが、私以外は全員インド人という奇妙な空間の中で、一杯飲みながらインド音楽を楽しむのもなかなか乙なもんでした。( ´∀`)

まとめ

今回の記事では、私がシンガポールでかなり密着して体験することができた、インド系シンガポール人の生活や彼らの文化についてご紹介しました。

タイプーサム(苦行のお祭り)もインドバーも、インド人だけの閉ざされた文化のように感じますが、実は彼らは他の民族が参加することにも抵抗なく迎えてくれたりしますので、もし興味がある方は見に行ってみるのも良いと思います。

友達になってみなければ全然知ることはなかったインド人の文化。

マノさんのおかげでインド文化の一部をわりとディープに知り、体験することができました。

そう考えると、他の国についても同じように、『その国で友達を作り、その文化にダイレクトに触れる』ということことから始めなければ、いつまでたってもわからないことがたくさんあるんだろうな、と思いました。

インドバー、けっこう面白いのでシンガポールに行ったらぜひ。

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