シンガポールに住んでいた時、【外は猛暑、中は極寒】という温度差にやられすぎて、いつも喉が痛かったり偏頭痛がつらかった、のりこです。
シンガポールを訪れたことがある人なら、一度は必ずこの激しすぎる温度差を体験していると思いますが、シンガポールは赤道直下の真夏の国でありながら、一歩屋内に入ると『ここは真冬か!」と思わせるほどのエアコンの効かせっぷりなんです。
▽関連記事:シンガポールの発展はエアコンのおかげだったという話▽

それでも不思議なことに、体調を崩していつもグズグズになっているのは日本人ばかり。
現地の人はどんなにエアコンがきつくたって全然へっちゃらなんです。
寒がりな日本人
目次
シンガポールは『世界の健康な国ランキング』の上位常連国
シンガポールは世界の中でも『最も健康な国』の一つと言われています。
ブルームバーグ社が169ヶ国を対象に行っている『世界の最も健康な国』をランク付けする調査(Healthiest Countries in the World)で、シンガポールは常に上位に食い込む国の一つなんです。
その後2017年には4位、2019年には8位と順位を下げつつあるのですが、それでも常に上位には入り続けている健康水準の高い国なのです。
ここ最近はインドネシアの野焼きの影響を多大に受け大気汚染が進んでいることも順位が下がった原因の一つかもしれません。
シンガポールの病気予防策ー日常的な体調管理法
私がシンガポールで暮らしている間、彼らが毎日当然のようにやっている病気予防策をずっと見てきました。そんな彼らの体調管理法をご紹介します。
わりとナチュラリスト多め
彼らの多くはとにかく『薬』を使うが嫌いで、よほどの大病でないかぎり飲もうとしません。
そのかわり日頃の生活習慣を気をつけていたり、漢方やサプリメントなどのハーブ、お茶などで体調を改善しようとする『ナチュラリスト』志向の人が多かったです。
のりこ
日常的にかなりの量の水を飲む
シンガポール人たちは皆、毎日けっこうな量の水を飲みます。しかもその飲み方にも特徴があって、
- お茶やコーヒーなどの『飲料』ではなく、確実に【水】でなければならない
- 水に氷は絶対入れない、体が冷えるといけないのでいつも常温
- 風邪を引いた時は白湯
- 仕事中でも必ずちょこちょことこまめに水を飲む
- 必ず水は水筒に入れて持ち歩いている
と言った具合に、日本ではやっと「1日2リットルは水を飲むようにしましょう」なんて言われるようになりましたが、彼らは『暑い国で生きていくには水を飲むことが絶対必要である』ということを子どもの頃から叩きこまれています。
のりこ
お茶、バーリーウォーター

東南アジアでは定番の飲み物、バーリーウォーター
中国からの移民が多いシンガポール人は、体調を整えるのに中国茶もよく飲みます。
彼らが好んで飲むお茶には、眼精疲労やデトックスなどに良いとされる『菊花茶』や、リラックス効果のある『ジャスミン茶』など、暑い国でアッツアツの中国茶をすするのが良しとされています。
また彼らがよくドリンクスタンドで買ったり自宅で作って飲むのが『バーリーウォーター』です。
バーリーとはハトムギのことで、要はハトムギをコトコトと柔らかくなるまで煮て砂糖を加えた飲み物。
お茶が体を温めるのに対し、このバーリーウォーターは、
体にこもった熱を逃がして、クールダウンさせてくれる
という効能があって、暑い国での熱中症対策に抜群の威力を発揮します。
のりこ
ハーバルスープ
風邪をひきそう、体がだるい、疲れている、ストレスを感じる、そんな時に中国系の人が必ず食べるのがこのハーバルスープ。
見た目は全然美味しそうではないのですが、食べてみると漢方の匂いなんて全然しなくて食べやすいのが不思議なところ。
クコの実やロンガン、デーツ、なんだか木の枝みたいな漢方の植物がチキンと一緒にしっかり煮込んであって、滋養強壮に持ってこいの逸品。
シンガポール人たちはこれで元気を取り戻すのです。
シンガポールの健康管理方法ー運動
ジム
シンガポールでは健康管理のために運動をしている人が本当に多いです。
彼らのほとんどはライフ・ワークバランスがとても良い(=死んでも残業はしない)ので、仕事が終わってからジムに通う人もたくさんいて、夕方のジムはどこも混み合います。
マラソン
シンガポールは大都会ながら街の至るところに緑がたくさんあって、マラソンやウォーキングなどができるコースもしっかりと整備されています。
ただし、シンガポールは暑いので日中にマラソンをしてしまうと、熱中症の危険性がぐんと高くなってしまいます。
なので彼らは早朝か夕方、仕事の前後でマラソンチームを結成して一緒に走っています。
シンガポール人はストレスを抱えている?ーリフレッシュ方法
日頃から体調を崩さないように様々なことを心がけているシンガポール人たちですが、彼らの口癖は
『ストレス!!(;´д`)』
です。彼らは本気で、心の底からシンガポール人は【世界で一番ストレスを抱えた国民】であると信じています。
- シンガポールで働くのはすっごいストレス
- シンガポールで生きていくのはとにかくストレスがたまる
- もうストレスに耐えられない
など、何かにつけて『ストレス』自慢をしてくるのですが、そんな彼らは様々な形でそのストレスをきちんと発散して、精神的にも健康でいられる努力を惜しみません。
鼻にスースーするやつ(ヤードム)を突っ込む
これはヤードムといって、タイ語で『嗅ぎ薬』を意味し、強烈なメンソール液を芯に染み込ませて、それを鼻に入れて吸い込むというもの。
そもそもはタイ発祥のものですが、シンガポールでも多くの人が以下のような目的のために使っています。
- 目覚まし
- 頭痛スッキリ
- 鼻づまりスッキリ
- 気分転換
- リラックス
このように、ヤードムを使うことで一時的に
穴という穴のとおりが良くなってリフレッシュできる
ε-(´∀`; )
というものです。シンガポール土産に買って帰る人もたくさんいます。
近隣国に旅行する
また、なんと言ってもシンガポールの良いところは、飛行機やフェリーに乗ればほんの1〜2時間のところに週末など短い休みでも行けてしまう国がたくさんあるということ。
シンガポールはその国土が東京23区とほぼ同じということもあって、ちょっとした連休なんかがあってももう、【国内の行けるところは行きつくした感】がハンパないのです。
なのでシンガポール人たちは、ストレスが溜まってくるとタイやマレーシア、インドネシア、香港などにポーンと出かけては、旅先でリフレッシュして帰ってくるのです。
MCとって休む
そしてシンガポール人にとって、なくてはならないリフレッシュ方法に『MC』と呼ばれるものがあります。
【MC】とはMedical Certificateの略で、正式名称【Sick Leave】、要は”有給の病欠”です。
前述に私は『彼らはすぐに(会社などを)休む』と書きましたが、これがその理由です。
本来ならば病気や体調不良などで仕事にいけない人がクリニックで『MC』を発行してもらって休みをとるものなのですが、
彼らは「ちょっと喉がいたい」とか「ちょっと鼻が詰まっている」など、日本人だったら
『そんな理由で仕事を休むなんてありえない!』(´⊙ω⊙`)
と思うような症状でさえ『MC』を取り、大腕を振って会社を休みます。
でもだからこそ、ちょっとの不調もしっかり休んで治すという生活をしているので、不調をこじらせることなく健康につながっているのかもしれません。
また、中には『MC』と言いながら完全にズル休みなヤツらもいたりするのですが、
でもズルでもなんでも、そこでしっかり休みを取ってリフレッシュできれば、ひいてはそれが国の病気予防になるかもしれせん。
▽関連記事:シンガポールのMCについて▽

まとめ
普段何気なく見てきたシンガポール人たちの日常的な健康を意識した行動の数々。
それらの習慣の中には、年中真夏の国を快適に生きていくための術が自然と盛り込まれていました。
また、適度な運動や休息のとりかたもとても器用に使い分けて自分自身をリフレッシュさせる。
そんな能力に長けていることからシンガポールは『世界の健康な国』に選ばれ続けているのかもしれません。
ぜひシンガポールを訪れた際には、バーリーウォーターやハーバルスープなど、あまり知られていない隠れた名品たちを試してみてはいかがでしょうか。
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