シンガポールの永住権【PR】を取得してわかったメリットとデメリット

シンガポールに海外転職をしてから7年間、ブラックな香り漂う有名企業で馬車馬のように働いた経験を持ってます、のりこです。

その時私は、シンガポールの永住権、通称【PR】を取得していました

【PR】というのは、Permanent Residenceの略で、この仕組みはざっくりこんな感じです。

  • 所定の条件を満たしている在星外国人が申請可能
  • PRが承認されると、Re-Entry Permit(再入国許可)とセットで発給される
  • 5年ごとに更新が必要(更新の際にも所定の要件を満たしていることが必須)

シンガポールの場合は、なんとかPRと取れたとしても、5年ごとに再入国許可の更新が必要になるので、実質的には完全に『永住』が許されているわけではないのがポイント。

PRの申請に必要な条件などはシンガポール移民局(ICA)のサイトに詳しく説明があるのでご参照ください。

参考 PR申請の条件ICA | Becoming a Permanent Resident

取得しにくくなっているシンガポールの永住権【PR】

何の参考にもなりませんが、私がシンガポールのPRを申請・取得した時は、

シンガポールがPRを大安売りしていた時代 \(^o^)/

でした。

シンガポールがPRをたくさん発給していた時代

それは私がシンガポールで働き始めて5年くらいたった頃だったのですが、当時は外国人駐在員などにシンガポールの方から『永住権、いかがですか〜?』とお誘いがくるくらいのPR大安売りセール中でした。

アンディ

当時『専門職についている外国人駐在員』にはシンガポールからのスカウトがよく来ていたというのは有名な話。「優秀な人材こそが国の重要な資源」と考えるシンガポールならではのやり方。

私はちょうどその頃、当時婚約していたシンガポール人の彼と結婚後の新居を探し始めたところでした。

シンガポールで住宅ローンを組むにはパートナーの私も【PR】である方が融資枠が広がるという話を聞き、申請することに決めたというわけ。

時は『PR大安売り中』のシンガポールですから、私の場合は申請を出してからものの数週間ですんなりPRがおりました。

今となっては考えられないような話ですね。

格段に取得しにくくなったシンガポールPR

ところが2010年から突然、シンガポールは自国の国民の利益を守るために外国人居住者の数を制限し始めました。

マーライオン

これまで受け入れすぎて来た優秀な外国人のせいで、肝心のシンガポール人が就きたい職につけないという不満が出てきちゃったのよ。

もともとシンガポール政府は、

  • 外国人労働者は景気を調整するためのコマ
  • 欲しい時にバンバン入れて、いらなくなればざっくり切り捨てる

というあからさまな方針だったので、2010年の経済戦略で『外国人労働者を全労働人口の3分の1に抑える』方針に転換したのをきっかけに、突然外国人に発給していたビザ全般(就労ビザ、就労許可、永住権など)の申請い条件を引き上げて、

外国人は就職も永住もしにくい国

に様変わりしてしまったというワケ。

シンガポールのPRを取得することのメリット

さて、そうは言ってもおそらく今後も発展を続けるシンガポール、また以前のように外国人ウェルカムな日もやってくるのではないかと勝手に思っているワケですが、

せっかくなのでそんなシンガポールPRを取得した経験を持つ私が、PRのメリットをご紹介したいと思います。

空港での出入国検査の速さが別格

これはシンガポールPRを持つものだけが感じられる、ちょっとした『優越感』。

シンガポールPRを取得すると、空港でのシンガポールの入国審査の窓口が『シンガポール人・PR保持者用』を通れるようになります。

長旅で疲れた家族

シンガポールのイミグレはとにかく入国審査が長い。マレー系のICA職員たちがかなりのマイペースでやるのでいつも長蛇の列、みんな疲れているので相当イライラしています。

他の人たちは入国審査の大渋滞に並ぶところを、同じ日本のパスポートを持ちながらも涼しい顔でガラ空きの窓口を通って入国できるのは素晴らしい体験でした。

シンガポール国内での転職は楽

シンガポールPRを取ると、国内での転職はかなり気楽にできるようになります。

それに雇用する側としても、住居手当や帰国旅費などの補償を一切しなくていいので、シンガポール人を雇うのと同じ感覚で雇えて煩わしさ半減でGOOD

のりこ

就労ビザの場合は雇用主が現地での保証人になっているので、退社した途端にビザはキャンセルされその後のシンガポールに滞在できる期間も制限されて、すぐに出国しないといけないんです。

一方PR保持者ならその心配もなし。

次のPR更新の時までに新しい仕事を見つけておけば問題ないんですから。

仕事を辞めて次の仕事が見つかるまでちょっと休憩、なんてのも許されるのがPRの良いところです。

シンガポールの年金機構CPFに加入できる

シンガポールにこの先一生住む覚悟ができた人ならこのCPFに加入できるというのはかなりのメリットになります。

CPF(Central Provident Fund)というのは、シンガポール人とPR保持者が必ず加入して毎月給料から天引きで積み立てを強要される年金の仕組みです。

▽シンガポールの年金【CPF】について▽

シンガポールの年金CPFを引き出す①【シンガポール永住権の棄権手続き】

有無を言わさず給料からごっそり差っ引かれるシステムなのですが、これがわりと好条件なので、誰も文句を言わないどころか、シンガポールで働く外国人たちはこれに加入したいがためにPRを申請する人も少なくないのです。

  • 自分の積み立て分に雇用主もプラスして積み立ててくれる
  • けっこう高めの金利がつく
  • 自分で積み立てた分は将来自分が使う(日本の不毛な年金システムとは全然違う)

ざっくりこんな感じで、自分のために国と会社を利用しながら貯金を増やしていける、というワケ。

実際に私もこのCPFは今年すべて引き出すまで十数年そのままにしていたのですが、ただ放置していただけなのにけっこう金利で増えていたのでびっくりしました。

シンガポールPRが役に立ったこと(番外編)

シンガポールに住む上では、PRを持っているというだけでシンガポール人とほぼ同等の権利が与えられるので、ローカルに向けた特別セールなんかの時には外国人よりも安いレートでものが買えたり宿泊できたりなんてこともあるのですが、

正直、普段の生活ではPRが役に立った!なんてシチュエーションはそうそう出てこないものです。

ただ一度だけ、ちょっとしたことで日本人の友人を助けることができた時に、『あー持ってて良かった』と思ったことがありました。それは、

拘束された人の身柄引き渡し ( ´ ▽ ` )

のときです。

何があったかはここでは伏せておくとして、ちょっとしたトラブルで日本人の友人がシンガポールの警察に捕まったことがありました。

すぐに釈放となったのですが、身柄の引き渡しはシンガポール人かPR保持者しかダメだったらしく、現地で信頼できるシンガポール人の友達がいなかった彼はPR保持者だった私に助けを求めてきました。

夜中に駆けつけた私は、かっこよくシンガポールPRの証『ブルーIC』(身分証明のカード)をバーンと見せつけ、めでたく彼は釈放されることになったのでした。

シンガポールPRを取得することのデメリット

ではシンガポールPRを取得することで被るデメリットとは何でしょうか。

一言で言うなら、

ないです。ヽ(´▽`)/

だって、デメリットがあるものにわざわざ時間と労力をかけて申請を出す人はいないでしょう。

強いて言うならば、

  • 手取りの給料が減る(CPFで強制的に積み立てさせられるので)
  • カジノに入りたければお金を払わないといけない
  • 更新の手間とストレス

くらいのものでしょうか。

手取りの給料はけっこう減ります。ほぼ3分の1が持っていかれるので、最初の月はちょっとびっくりしてしまいますが、それもCPFにちゃーんと貯まっていくのでむしろ安心です。

のりこ

ちなみにシンガポールの年金は、日本のようなずさんな管理は一切されていません。各自が自分のアカウントをいつでも見られるようになっていて、非常に透明性が高く、そこから住宅を買うときの頭金を出したりと自分で運用もできるのです。老後に自分がいくら残るのかも明確なので日本のような不安感はゼロ。見習ってほしいものですね

シンガポールの永住権のメリットとデメリットまとめ

シンガポールに住む外国人にとっては、今や敷居がずいぶん高くなってしまったシンガポールの永住権【PR】。

この先またシンガポールの経済戦略の変更等で発給が緩和されて、PR取得を願う人に発給されるようになればいいなと願うばかりです。

ただその一方で、その昔の大安売りセールの時に、安易にPRを取得したはいいがそのまま何となく帰国して放置した、なんていう無責任な日本人も少なくなかったようです。

私の場合は、人生の岐路に立った時にシンガポールでの結婚をやめて帰国する決断をしたので、PRの棄権手続きを踏み今に至ります。

シンガポールPRを取得した私の経験から海外移住を考えている人にお伝えしておきたいのは、

外国で永住権を申請する前に、本当に一生その国に骨を埋めるつもりで暮らしていける覚悟があるのかどうか、もう一度きちんと考えてみたほうが良いのではないか、と言うことです。

安易に永住権を取得して安易にその国に住み続け、ダメになったら放ったらかしで帰る、なんてことにならないように気をつけたいものです。

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