TKG大好き日本人
そんな疑問にお答えします。
オーストラリアで1年、シンガポールで7年間『海外暮らし』をしていました、のりこです。
海外のスーパーマーケットっていろんなものがあって面白いですよね。私も旅行先では絶対現地のスーパーに行って、あれこれ買い物をしてしまいます。
そんな中、ちょっと日本では考えられないことに気づいちゃったりしませんか?
それは、
卵の賞味期限が、やけに長い ( ゚∀゚)
ということ。
これは私が住んだ2つの国、オーストラリア、シンガポールどちらでも同じことが起きていて、パックに印字されている賞味期限を見ると、一瞬
あれ?今って、何年の何月何日だっけ…? σ(^_^;)
と考えてしまうくらい、今日とはずいぶん違う遠い日付が刻印されているんです。
のりこ
海外で売られている卵は、なぜそんなに賞味期限が長いのでしょう?またそれらの卵は、日本のように生卵で食べても大丈夫なのでしょうか?
本記事では、TKGを食べたい一心で「生食できる卵」を探し求めてわかったシンガポールの卵事情と、シンガポールで愛されている代表的な卵料理をご紹介したいと思います。
- シンガポールの卵は生で食べても大丈夫なのか知りたい
- シンガポールでは半熟卵がよく出るがそれは大丈夫なのか心配
- シンガポールは暑い国なのに卵が常温で売られているのが謎
- シンガポールの美味しい卵料理が知りたい
目次
海外の卵の賞味期限がやけに長いワケ
そもそも、海外で売られている卵はなぜにそんなに賞味期限が長いのでしょうか?
日本とは卵の種類が違うのか、それとも本当は日本の卵も海外と同様に採卵後1ヶ月以上たっても食べられるものなのか。
卵名人
賞味期限の表示の仕方が違うだけ
日本人にとっての『卵』って、なんとなく生鮮食品のように「すぐに腐ってしまう」食べ物のような位置付けですよね。
それは日本人が卵を生で食べる習慣があることから勝手に「ナマモノ」扱いをしているというわけ。
ところが外国では卵は必ず調理して食べるものなので、そんな意識はありません。
確かに一度割って中身を出した場合はその卵はすぐにいたんでしまいますが、
割る前の卵は、「固い殻」や「卵膜」で雑菌の侵入を防ぐことができるので、実は傷みにくい食べ物の一つなんです。ヽ(´▽`)/
そして海外と日本の卵の賞味期限がなぜあんなにも違うのかというと、それは
- 海外:加熱して食べられる期限
- 日本:生で食べられる期限
という、『賞味期限の基準』がそもそも異なるからなのです。
なので、日本の卵も、生で食べるなら二週間以内がベストですが、それを過ぎてしまっても捨てる必要はありません。あとは加熱すれば2ヶ月くらいは問題なく食べられるのです。
たまごちゃん
生卵を食べるのは海外ではゲテモノ扱い
産みたて新鮮なプリプリ卵をご飯にかけて食べるTKG(卵かけご飯)は日本では老若男女に愛される国民的食べ物ですよね。
でも海外では、「半熟卵」は食べることはあっても、全部が生のヌルヌルなものをご飯にかけて食べるというのはちょっとした『ゲテモノ』扱いです。
先述の通り海外のほとんどの国では卵は火を通して食すもの。その理由は、
卵=『汚い』『菌がついている』 (´Д` )
というイメージがあるからです。
加熱することによって殺菌されるはずのものを、あえて生で行くという物好きは日本人とロッキーくらいなものなのです。
シンガポールの卵は生で食べられる?
シンガポールでもスーパーで売られている一般的な卵は、賞味期限が約2ヶ月もある『加熱して食べるのが前提』の卵がほとんど。
スーパーならどこも冷房がキンキンに効いているので常温で置いてあっても問題ないのですが、個人でやっている小さな商店やウェットマーケットでは、30度超えの気温の中でも普通に外で売られているのでちょっと心配になってしまいます。
買うところを選べばOK
そんな神経質な日本人のために、シンガポールでは伊勢丹や明治屋など日本のスーパーも充実しています。
それらのスーパーでは、日本の『お誕生日卵』が売られているので、お金に余裕のある日本人はみんなここで卵を買っていました。
値段は、その銘柄にもよりますが1パック1000円くらいは覚悟した方が良さそうです。
のりこ
シンガポール人は半生がお好き
とはいえシンガポールでは、現地人もわりと“生っぽい”状態で卵を食べることが多かったんです。
彼らが大好きなのは、カヤトーストと呼ばれれるカリカリのトーストにバターとココナッツジャムを挟んだものとセットで食べる、【ハーフボイルドエッグ(半熟卵)】。
半熟卵というよりは【温泉玉子】に近いですね。シンガポールではこれに醤油を混ぜて、ぐちゃぐちゃに混ぜてスプーンですくって食べます。
シンガポールの新しい卵
シンガポールは『国土が東京23区とほとんど変わらない』という小さな国。
天然資源などは一切なく、あらゆるものを輸入に頼っているのですが、そんなシンガポールでも実は大きな養鶏場を3つも持っているというから驚きです。
現在シンガポールの1日当たりの総消費量は500万個と言われており、その内の150万個(約3割)をこの3社で生産しているのだそうです。
シンガポールの養鶏場
シンガポールの養鶏場では鶏の健康面や工場の衛生管理を徹底的に行っていて、手作業と機械によって何重もの工程を経て新鮮で安全な卵が毎日出荷されています。
養鶏場で働く人
パスチャライズド・エッグ(低温殺菌卵)
そしてシンガポールの養鶏場で開発された画期的なテクノロジーが、
殻つき低温殺菌卵 ヽ(´▽`)/
という、ゆで卵にならない程度の温度かつサルモネラ菌が確実に死滅する温度で殺菌した卵を生産する技術です。
日本と違って海外では出荷される卵が綺麗に洗浄されていることが普通ではないので、殻についたサルモネラ菌が繁殖してしまうことも。それを食べてしまうと、嘔吐下痢や発熱などを引き起こし、ひどい場合は命に関わることもあるのだとか。
ただしサルモネラ菌は熱に弱く、60℃なら3.5分で不活性化することができるので、食べる時は必ず加熱することがすすめられています。
この技術を使うことによって、シンガポールのローカル卵であっても生食用として問題なく食べられる卵ができたのです。

左が低温殺菌卵。味は普通の生卵と同じで、TKGにしても大丈夫な卵です。 (写真:http://www.jas.org.sgより)
この低温殺菌卵(Pasteurized Eggs)はすでにシンガポールのローカルスーパーでも普通に売られていて、わざわざ日本のスーパーまで行ってびっくりするような値段で日本の卵を買う必要はなくなったのです。
のりこ
シンガポールの代表的な卵料理
先述の『ハーフボイルドエッグ』の他にも、シンガポール名物と呼ばれるローカルフードの中には、卵を使った料理があります。
キャロットケーキ(大根もちの炒り卵)
どこをどうみても『キャロットケーキ』という名前からはピンとこないビジュアルの食べ物なのですが、これはシンガポールで昔から食べられている炒り卵風のもの。
『キャロット』というのはこれに入っている大根もちのことで、根菜全般のことをキャロットとざっくり言っているようです。
大根もちの他には刻んだたくあんやチリソースが入っていて、それを全体的に卵でとじて炒めたもの。シンプルだけどとっても美味。ヽ(´▽`)/
シンガポールではよく朝ごはんとして食べられています。
▽関連記事:シンガポールの朝ごはん▽

まとめ
いかがでしたでしょうか。なんでも鮮度にこだわり、「生で食べられる品質」であることが良いこと、という意識が染み付いている日本人。
そんな日本人が一歩外国に出ると、ごく当たり前だったことが全然当たり前ではないことに気づきます。毎日普通に食べられていたTKGが、外国では命に関わるほどの危険性を伴う「ゲテモノ」的食べ方だったりするのですから。
シンガポールに行ったら、ぜひスーパーの冷蔵コーナーにある『パスチャライズド・エッグ』も買って試してみてくださいね。
日々進化を遂げるシンガポールの卵事情。
卵は進化し続けても、昔から愛されている卵料理は今も変わらずそこにあります。
ぜひお試しあれ!(^o^)
\シンガポール市内観光は日本から予約していくと安心です/
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