シンガポールには『ヨントーフ』という食べ物があるのをご存知ですか?
旅行客
そんな方も多いと思うのですが、このヨントーフ(醸豆腐 Yong Tau Foo)とは、古くは中国の客家(ハッカ)という民族が持ち込んだ、とても歴史の長い食べ物なんです。
シンガポールに行ったらフードコートで必ず一度は見かけているはずなのですが、その『注文の仕方』が独特でちょっとわかりづらいことから、観光客にはなかなか近づきにくいローカルフードになってしまっているのです。
気弱な旅行客
本記事では、シンガポールではとってもメジャーなローカルフードなのに、旅行者にはちょっと倦厭されがちだったこの『ヨントーフ』について、じっくり理解を深めたいと思います。
- シンガポールでヨントーフらしきものを見かけてちょっと興味を持ったがなんか怖くて注文できなかった
- そもそもどんな食べ物かを全く知らない
- 具体的に、どうやって注文しどうやって食べたらいいのかを知りたい
目次
ヨントーフの歴史
シンガポールにいくと、ホーカーセンターやフードコートに必ず上記写真のようなお店が1軒は入っていることにお気づきでしょうか。
これが、ヨントーフ(醸豆腐 Yong Tau Foo)です。
この”醸豆腐”とは、中国語で『詰め物をした豆腐』という意味で、客家(ハッカ)と呼ばれる民族グループが東南アジアに移住する時に持ち込まれた料理の一つ。
客家(ハッカ)とは
客家(ハッカ)というのは、もともとは古代中国の東北部にいた王族の末裔と言われていて、彼らは戦乱から逃れるために移動と定住を繰り返し、最終的にはシンガポールの他にもタイやマレーシア、台湾などにも定着しました。
マレーシア人
『中国ユダヤ人』と呼ばれる客家人
またこの客家人はもともと移動と定住を繰り返してきたためどこに行っても『よそ者』扱いや差別を受けてきたという背景から、反骨精神が豊かで、負けず嫌いな気質の人が多いのだそうです。
中国史上に知られる客家出身者には、太平天国の首謀者洪秀全以外にも、高校世界史に登場する人物としては南宋の儒家である朱熹、黒旗軍を率いてフランスと戦った劉永福、そしてなんと言っても辛亥革命の指導者孫文、現代中国の「小さな巨人」鄧小平がいる。また台湾の李登輝、シンガポールのリー=クアン=ユーも客家である。(世界史の窓|「客家」より)
流通や商売に関してはずば抜けた才能を発揮して、さらに教育熱心だった客家人は『中国ユダヤ人』という異名がつくくらい優秀な人材が多いことで有名になりました。
ヨントーフとはどんな食べ物?

これはドライタイプ。スープで湯がいた具と麺にソースを絡めて食べる。(写真:Wikipediaより)
前置きが長くなりましたが、そんな『商売上手で超優秀なリーダー的人物』を輩出してきた客家人が好んで食べたのがこのヨントーフ。
ヨントーフ大好き女子
おでんとちょっと似ています
このヨントーフ、『練りものや野菜をスープと食べる』という意味では日本のおでんとちょっと煮ています。しかもスープの味付けも似ていて、だしの聞いたあっさりスープなんです。
なので日本人にとってはとても安心できる味。
具材はこんな感じで、練りもの、揚げ物、野菜やイカ、海藻、湯葉など本当にたくさん。シンガポールの屋台料理にしては珍しく、油ギトギトでもなく野菜がたくさん食べられる、ヘルシー料理ヽ(´▽`)/
南国ならではの注意点
そんな日本人にも優しい味付けで野菜もいっぱい食べられるヨントーフなのですが、シンガポールで食べる場合は1つだけ注意点があります!
それは、、、
ホーカーセンターなど、エアコンの効いてないお店のヨントーフは、午後以降は避けるべし
です。これかなり大事です。
ショッピングモール内のエアコンが効いているお店なら問題ないのですが、どうしてもヨントーフは調理前の『生っぽいもの』ばかりが陳列されているので、暑いところに置かれて数時間経過した具材は
傷みやすい ( ̄◇ ̄;) のです。
のりこ
なので旅行先でヨントーフを食べる時は、エアコンの効いたフードコートで、早めの時間に食べることをオススメします。
ヨントーフの注文方法

スープタイプ。ビーフンと一緒に。(写真:http://food.malaysiamostwanted.comより)
では、いよいよこのヨントーフの注文方法をご紹介しましょうヽ(´▽`)/
これさえわかれば、次回は堂々とヨントーフを注文して食べることができます。
お店によって具の最低個数が決まっている
ヨントーフ屋さんにいくと、たくさんの具材が並んでいて、看板には必ず『Minimum6Pieces』とか『Minimum8pieces』と書いてありますので、まずはそれを確認しましょう。
ヨントーフはその具の個数によって値段が変わってきます。ほとんどのお店では
具6〜8個+好きな麺で5ドル前後、具を1個プラスするごとに+50セント
といった料金システムで食べることができます。
ヨントーフは自分で「カスタマイズ」が基本
ヨントーフの注文の流れは以下の通りです。
- ビーフン(米麺)
- クェイティャオ(米麺)
- ラクサヌードル(米麺)
- イエロー・ミー(小麦麺)
(『麺の種類』についての詳しい説明は下記関連記事からどうぞ!)
『ビーフン・スープ』『ビーフン・ドライ』など
こんな感じで、麺の名前とスープかドライかをぶっきらぼうに、単語だけ言えばOKなんです。あとは具の個数に応じて会計をして、そうこうしている間に具と麺は湯がかれて、商品が提供されます。
辛いものが好きな人は、レジのところにチリソースも用意されていますので、それを小皿にとってもよし、具の上からかけてしまっても美味。
▽関連記事:シンガポールで食べられている麺を解説▽

まとめ
実は奥深い歴史を持つシンガポールのローカルグルメ、ヨントーフ。
これまではフードコートでヨントーフ屋さんを見かけても、どうやって注文すべきかわからずにきっと素通りしてきた人が多かったと思うのですが、もうビビらなくてOKです。
ヨントーフはシンガポールの食べ物のわりに油ギトギト感やラードゴロゴロ感がなく、野菜がたっぷり食べられるのも魅力。
『中国ユダヤ人』と呼ばれたカリスマたちを生み出した『客家(ハッカ)』の食文化、シンガポールに行ったらトライしてみてくださいね。
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